沓脱 正計(くつぬぎ まさかず)

大阪府出身
あん摩マッサージ指圧師
認定心理士
修士(教育学)

学歴

  • 1996年3月 日本指圧専門学校 卒業
  • 1998年3月 ジャパンカレッジオブオステオパシー 卒業
  • 2003年3月 明星大学通信教育部心理教育学科 卒業
  • 2018年3月 明星大学通信制大学院 教育学研究科 博士前期課程 修了
  • 現在 明星大学通信制大学院 教育学研究科 博士後期課程に在籍中

研究

  • 沓脱 正計 , 黒岩 誠 :外来患者の主観的健康統制感・主観的病状が医療者へ求める説明に与える影響について,こころの健康 22(1), 56-64, 2007
  • 沓脱 正計, 黒岩 誠:日本人が訴える肩こりの特徴について―欧米におけるneck painとの比較― , こころの健康 25(2): 61 -66,2010
  • 沓脱 正計:腹斜筋群へのASTRが慢性腰痛の回復に寄与した1症例: 医道の日本 68(10), 61-65, 2009
  • 沓脱 正計:抑うつを有する患者への頭蓋仙骨療法を併用した徒手的施術例:医道の日本 74(9), 89-98,2015

著書

  • 松本 不二生,沓脱 正計:痛みの臨床に役立つ手技療法 ASTR.医道の日本社,2007
  • 沓脱 正計:手技療法を習得するために~評価と治療のコツとヒント.Dopub,2012
  • 沓脱 正計:手技再構築プログラム(DVD).医療情報研究所,2014

手を使った医療との出会い

~「手でどれだけ人間の苦痛を和らげることができるのか」という生涯の問い

私をこの道に進む決意をさせたのは高校三年生のとき、祖父が亡くなる直前に経験した出来事がきっかけです。

入院中の祖父の姿は元気だったころの面影はなく、さまざまな医療機器に囲まれてベッドに横たわっていました。幼いころの一時期を祖父母に育てられ、 おじいちゃん子だった私はそんな祖父の姿がショックで、ただ呆然とベッドの脇で立っていました。

その瞬間、心の底から湧き上がる思いがありました。 「どんなに医療が発達しても、最後のさいごに人間のことを慰められるのは人間の手なんだ」

そんなとき、様子を見にきた看護師さんが「足をさすってあげてね」と言いました。何も考えられず、ただ言われるがまま祖父の脚をさすっていたとき、それまで意識もなく険しい表情だった祖父の表情がふと和らいだ気がしたのです。

その後、資格を取って臨床の現場に出て以来、 「手でどれだけ人間の苦痛を和らげることができるのか」 という問いとずっと向き合いながら臨床に携わり、現在に至っています。

何一つ長続きしなかった私がここまで続けて来られたのは、祖父とのエピソードと、この生涯の問いがあったから。 この問いは、祖父から私へのさいごのギフトだと思っています。