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くつぬぎ手技治療院 |
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1. コリとり体操って何?
コリとり体操は、手技療法の技術を用いてコッたところにピントをしぼり、効率よくコリをほぐすように工夫した体操です。
きちんと内容を知っていただきたいので、理論編では少し理屈っぽい話しをします。肩がコらないように気楽に読んで下さい。
もし読むのがうんざりするようなら…先に実技の方から始めて、決して無理はしないで下さいね。
肩こり体操は気休め程度?
肩こり体操はよく知られている体操です。このページをご覧になっている方のなかにも、肩こりに悩まされて肩こり体操をやったことがあるという方はいらっしゃるでしょう。ところがこの肩こり体操、効くと思って行っている方よりも、気休め程度にしか感じていない方のほうがどうも多いようです。
私も肩がコッたときやコリそうな時は、肩こり体操をしているのですがとても役に立っています。体操は、覚えてしまえばいつでもどこでも、お金をかけないで自分の身体をケアできる心強い味方です。それなのになぜ気休め程度にしか感じない方が多いのでしょうか?
そこで、どのように動かしているのか実際に体操をしていただいたところ、効かない動かし方になってしまっている方がほとんどでした。これは肩こり体操に限らず、腰痛体操など他の体操でも同じでした。
なぜ、気休め程度の効果しか出せない体操になってしまうのでしょうか?どのようにすれば、効果の上がる体操になるのでしょうか?
コリはどこにたまりやすいのか?
この疑問にお答えするためにはまず始めに、コリというのはどういうものかをお話ししなければなりません。
一般的にコリというのは、疲労によって筋肉が縮んで硬くなってしまった状態のことをいいます。この筋肉疲労には、「動かして疲れる」・「支えて疲れる」という大きく2つのパターンがあります。
「動かして疲れる」とは、「窓をふいて腕が疲れた」とか「久しぶりに走ったら、太ももがパンパンになった」というように、筋肉が持っている能力以上に動かしてしまい、エネルギー切れになってしまった状態です。
このケースでは運動中にも筋肉が伸び縮みし、ポンプのような働きをして血液の循環をうながすので疲労も回復しやすく、コリにはなりにくい疲れです。ちょっと整理運動をして、お風呂に入ってグッスリ寝れば普通は回復します。
また、身体を動かすことで筋肉が疲労すると、力が入らなくなるという特徴があります。ちょうど「疲れて腕が上がらない」とか、「さんざん走った後で、膝がガクガクする」という状態ですね。力が入らなくなることで、さらに疲労がたまることを防いでいるということもいえます。
次に「支えて疲れる」という場合です。これは、立ちっぱなしや座りっぱなしの時に、身体がぐらぐら動かないようにジッと支え続けることで起こる筋肉疲労です。このケースでは筋肉は軽くではあっても長時間ちぢみっぱなしになるので、ポンプの作用も起こりにくく血液の循環が悪くなりがちになります。
さらに、身体を支えることで疲労すると、筋肉は縮むという性質があります。硬く縮んでしまっても身体を支えるということにすぐ支障が出るわけではないので、筋疲労が起こっても無理をしやすいのです。
このため、コリというのは身体を支えることで、緊張し続ける筋肉にたまりやすいのです。
これは効く体操をするための、大切なポイントです。
(ここでは便宜的に「動かして疲れる」ことと「支えて疲れる」ことを分けましたが、実際は多くの動作で身体の中に「動かす」ところと「支える」ところが存在しています。)
コリのたまるところが、人によって違うのはなぜか?
同じような作業をしていても、コるところが人によって異なることはよくあります。例えば、右利きの人が長時間字を書いていて肩がコる場合でも、右がコる人と左がコる人がいます。このようなことが起こるのは、人によって体の使い方のクセが違うためです。
右利きで右肩がコる場合、右腕を自由に動かして書けるように、右肩周囲の筋肉を緊張させて右肩を固定します。反対に左肩がコる場合は、右肩から腕を自由に動かして書けるように、左上半身、特に左肩周囲の筋肉を緊張させ左肩を固定してしているのです。
このように体の使い方のクセ・個性の違いによってコるところが異なります。これも効く体操をするための大切なポイントです。
効果的な体操をするには?
ここまでコリというのは身体を支えることで、軽いながらも緊張し続けている筋肉に起こりやすく、コるところは身体のクセによって異なるということを押さえておきました。
体の使い方にはそれぞれクセがあるということは、その人の中でよく動かすところとあまり動かさないところが、だいたい決まってくることになります。この動かさない筋肉は、使っていないというわけではなく、身体を支えるために働いています。そして動かす筋肉はどんどん動かし、支える筋肉はあまり動かさないということが続いてしまう結果、支える筋肉つまりコリやすい筋肉は、その人にとって意識しないと動かしにくいところになってしまいます。
そのため何も意識しないで体操をすると、自分が動かしやすいところばかり動かしてしまうため、動かしにくくコリがたまりやすいところにはなかなか刺激が伝わらず、効果の上がらない体操になってしまうのです。
つまり効果的な体操をするためには、動かしにくいところに刺激を集めて動かしていくことが必要になります。
手技療法の技術的な共通点
そこで役に立つのが、手技療法(しゅぎりょうほう)の技術です。
手技療法の世界には、マッサージや指圧、整体、カイロプラクティックやオステオパシーなど様々な治療法があります。人体に対する考え方も治療法によって特徴があり、「骨盤の歪みが万病の元」という考え方もあれば、「背骨が曲がると病気になる」という考え方もあり、さらに「顎の歪みが全身に影響する」ということをうたっているものまであって、例をあげればきりがありません。
けれども、それらの治療法には技術的な共通点があります。それは、治療対象となる組織に対して、ピントを絞った刺激を与えられるように工夫をしているというところです。
普通の体操は、全体的に伸ばしていくことを意識したものが多いと思うのですが、私は自分の身体を使って手技療法の練習するうちに、この方法を体操に用いれば、もっと効果的な体操ができるはずだと考えました。
コリとり体操は合わせミソ
そしてあれこれ工夫をし、その方法を少しずつまとめたものがコリとり体操です。
コリとり体操は、様々な治療法の技術的なミソを合わせた「合わせミソ」です。見た目からそんな変わった事をするわけではありませんが、それはプロの隠し味ともいえるもので、意識するのとしないのでは効きが全く違ってくると思います。皆さんにも「自宅でだせるプロの味」ならぬ「自分でできるプロの技」を覚えて、毎日の健康に役立てていただけたらと思っています。
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1.「コリとり体操」って何? 2.体操のポイント 3.どの体操を行えばよいのか? 4.体操を自分のものにするために
5.体操のポイントチェック 6.≪首・肩≫ 7. ≪ 上腕・前腕 ≫ 8.≪背中・腰・おなか・おしり≫ 9.≪太もも・足≫
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